ポンペイの壁画展内覧会の続き。長期連載化しております。何の需要もなさそうですが…orz
さて、次の部屋へ入ると今度はあまりにも鮮やかなブルーに眼を奪われます。ナポリ湾沿いにある町トッレ・デル・グレコのソーラ地区の海浜別荘を彩っていた壁画の数々。この地区には豪華な別荘が建ち並んでいたそう。
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あまりにも鮮やか過ぎて、これが2000年近く前のものだなんて思えないくらい。まさに第三様式の特徴である、非現実的で幻想的な画面構成になっています。一見建物のような柱や梁が描かれているものの、立体感や遠近感はすでに無視されていて、一体どことどこが繋がっているのか!?本当にだまし絵のよう。一方、装飾的な文様や,あちこちに描かれた動物などは緻密に描き込まれているので、よりいっそう非現実感ましまし。
このブルーは「エジプト青」と呼ばれた人工的に作り出された顔料で描かれたもの。当時エジプト・アレクサンドリア産の顔料は非常に高価だったので、これだけふんだんにエジプト青を使ったこんな大きな壁画で壁を飾ることができたということは、お金持ちで社会的地位の高い人物の別荘だったのでしょうね。そんな栄華を一瞬で埋もれさせてしまった災害の恐ろしさをしみじみと思わずに入られません。
この壁画たち、細部がまた非常に素晴らしい!!
建築に描き込まれた、繊細で緻密な装飾文様を始め…
アラベスク文様の中に溶け込ませたこのデザインが素晴らしい!
この小鳥をあしらった文様なんて、このまんま帯にしたい!かわいい!
一方、比較的リアルに描き込んだ動植物もすごくいい!
神話に登場する、異形の生物たちも文様の中に描かれています。
「女のケンタウロス」と名付けられた壁画。
手にした「テュルソス」という魔法のつえでしかを捕まえているところですが、この「テュルソス」は、このあと他の壁画にも度々登場します。
私はこのエジプト青を多用した壁画の一群が今回の展覧会で一番好き!この色彩、世界感をぜひ帯にしてみたい!
このポンペイの壁画展、神戸では2016年12月25日(日)まで開催中です。ぜひ実物の色の鮮やかさを目にして欲しいです〜!