神戸の市立博物館で開催されていた、「ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎」へ行ってきました。
会期終了間際に行って来たので、ホントにスゴイ人でした…(><)
いっつも「終わり頃は混むから早く行こう」って思うのに、結局ずるずるとまた最後の方...この性格をなんとかせねば!!
まず、チケットを買うために長蛇の列。
私は前売りを購入していたので、そこはクリア。
さらに、博物館のホールにジグザグ蛇行の行列スペースが設けられ、「入場まで45分」の表示。
でも実際にはもう少し短かかったかな?
途中、常設展示の中を並ばせたりして、展示を見つつ待つことが出来ると言う工夫。
いろいろ考えるのね。
エントランスホールの展示。
ここは撮影OKです。
「組み上げ絵」「組み上げ灯籠絵」と呼ばれる、江戸時代の立体ペーパークラフト。
ああ、昔よく雑誌の付録なんかでこういうのあったわ!
江戸時代からあったのね。
印刷された絵を切り抜いて組み立てるのですが、当時のものはやはりみんな実際に切り抜かれたり、組み立てられたりで状態がよく未使用のものはあまり現存していないのだとか。
今回はこの「浅草寺雷門」と「しんはんくみあけとふろふゑ(新版組み上げ灯籠絵)天の岩戸神かぐらの図」の2点展示されていました。
これは、「浅草寺雷門」の方ね。私は「天の岩戸」の方が曲面があったり、立体感があって好きだったわ。
実物は数十センチの卓上サイズなのですが、それを等身大に拡大。
雷門前でもめ事を起こす男と、それを押さえる男たち。
それを端から眺める女たち。
「まぁ、いやねぇ…」なんて感じかな?
これは着物を着ていっしょに組み立て絵の中に入って記念撮影したいところでしたが、生憎ひとり。
そして、長蛇の列のド真ん前でそれをするのも、いかがなものかとあきらめましたわ。
っていうか、この日は洋服だったのでした。
北斎と言うと富嶽三十六景が一番有名なのかしら?
今回は、幅広く多彩な作品をみることが出来てとても興味深かった。
「浮絵(うきえ)」呼ばれる、西欧の透視画法を用いた作品群。
浮き出して見えるので「浮き絵」と呼ばれるのだそうな。
思わず「ルネサンス画人伝」の遠近法オタク・ウッチェルロを思い出したわ。
学生時代「西洋美術史」の授業で、先生がルネサンス・オタク(それを専攻と呼ぶのだ)だったのよねぇ。
「遠近法よ、遠近法。そなたはなんてかわいいヤツだ…」と言ったとか言わないとか。
絵の中に、「それはやりすぎやろー!?」ってほど遠近法ネタが盛り込まれているのがポイント。
当時の最新技術だったのよねぇ。
そのウッチェルロさんが生きていたのが1400年代。
北斎さんが生きていたのが1760〜1849年。
でも浮き絵の流行は一時だったよう。
うん、浮世絵はやっぱりあの独特の平面感がある風景画の方がいいなぁ。
個人的には酔いそうなんだもん。
私が好きだったのは、百物語の怖いんだか面白いんだか、なんだかちょっとユーモラスな妖怪たち。
花鳥版画の大胆!と、細やかな線。空刷りの花びらやトンボの羽根にうっとり。
そして「諸国滝巡り」の、何とも言えない鮮やかな藍の色とその水の表現。
「木曽路ノ奥阿弥陀ケ滝(きそじのおくあみだがたき)」、「下野黒髪山きりふりの滝(しもつけくろかみやまきりふるのたき)」「和州吉野義経馬洗滝(わしゅうよしのよしつねうまあらいのたき)」…。
このまま、絵羽にした浴衣が欲しい!
北斎展、このあと北九州と上野の森を巡回するそうです。
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