20世紀美術の四十八茶百鼠か。 〜ジョルジョ・モランディ展・兵庫県立美術館

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先日、兵庫県立美術館で開催中のジョルジョ・モランディ展 〜終わりなき変奏へ。
ブロガーご招待の内覧会というものがあり、学芸員の方の講義が聴けると言うので、大喜びでお邪魔してきました。

喰いしん坊オット
も誘ったのですが、美術に方面にはあまり詳しくないオット、
「モランディ?何それ、美味しいの?」てなもんで。
が、私から見ると、多分オットは、ものすごく細かそうなモランディ氏と気があうはず…いや、デリケートで繊細なモランディ氏の絵は気に入るはず。
「どんな絵を描くの?」とオット。
「ええと…同じ絵がいーーーーーーっぱいあるんだけど、実はちょっとずつ違うんだからねっっっ!って感じかなぁ?」
「ふぅーん。」
と、半ばだまくらかすような状態で、ふたり兵庫県立美術館へ。ドナドナ〜♪
ドナドナされて行った喰いしん坊オットのその日の日記はこちら> 兵庫県立美術館「ジョルジョ・モランディ展」 〜モランディさんに小一時間聞いてみたい〜
では、ちょっとまじめにジョルジョ・モランディ氏のおハナシ。
20世紀イタリアの代表的な画家であるモランディ氏。
ところが、兵庫県立美術館の学芸員さんが自らいうには、日本での知名度はさほどでもないのだそうな。
え、そうなの?
私が最初にモランディ氏を知ったのは、1990年に開催された「モランディ展」でした。

ほじくり返せば出てくる、私の印刷物コレクション。
26年前のちらしが半券と共に、ファイリングされておりました。(画像がちょっとハレーションおこしておりますが…)
そうそう、これこれ。
私の中でモランディ氏は、当時「グレーでベージュで、ちょっぴりブルーとイエローとピンクの人」と言う印象でした。
形よりも、その色彩と質感が好きなんですよねぇ…。
そして、モチーフに何を描いていたかは、全く印象に残ってなかった。
今回、そのモチーフに興味津々になるのですが、それはまたのちに。
話はちょっとそれますが、「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」ってご存知でしょうか?
着物好きさんには馴染みのある言葉かも。
江戸時代、幕府は奢侈禁止令で庶民に色とりどりの華やかな色使いの衣装を禁止。
茶色、鼠色、紺色しか着ちゃダメ!とした訳です。
ダメだっていわれたってオシャレしたい!と、庶民が制約の中で、ものすごく繊細な色のバリエーションを編み出して行った色の数々が「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」。
日本人の感覚の繊細さを表現する時によく出てくる言葉ですが、モランディ氏の絵を見てると、「アンタはイタリアの四十八茶百鼠か!」と突っ込みたくなるくらい。
地味かもしれないけど、ものすごーく微妙で繊細でいいのだ。
一見、大きな変化に乏しいかもしれない
似たようなものばかりかもしれない、
でも、一つとして同じものはない

とは、学芸員さんのお言葉。
学芸員さんご自身がモランディ好きなんだろうな!魅力を伝えたいんだろうな!という、とても熱く細かい講義でした。
そうそう、館内で聴ける音声ガイドも、モランディ研究の第一人者である京都大学教授の岡田温司先生と、学芸員の方(お名前がわからない!)のトークで聴きごたえアリ。
いろんな美術館で音声ガイドを利用することがあるのですが、ときどき「金返せ!!」と言いたくなるほど内容が…なこともあるけど、この音声ガイドはオススメです。
さて、話をもどして。
モランディ氏の同時代の画家には、大きく括ると、ピカソやダリ、マグリット、キリコ(実は活動を共にした時期があったそうな)などなど華々しいスターがいっぱい。
抽象画やシュールレアリズム、キュビズムなどアート的にも激動の時代、歴史的にも二度の世界大戦があり激動も激動、大激動の時代だったのです。
が、モランディ氏はひとりボローニャの自分の部屋にこもり、ひたすら静物画を描き続けます。
あ、引きこもりではないのですよ!
お仕事(ボローニャの美術大学で版画の講師)もしてたし、ボローニャ近郊のグリッツァーナという村にもアトリエを持っていたんだそうで。
でも、芸術家たちが集うパリなどを訪れることもなく、旅行に出かけるでもなく、ひたすら部屋の中で静物を並べ続け、描き続ける。
トモダチ少ないんじゃないかと心配になります。(別にいいやん)
風景画もあるのですが、ボローニャのアトリエの窓から見える(せめて外へ出ろ!)風景か、グリッツァーナ周辺の風景(こちらはちゃんと外へ出てた)のみ。
モランディ氏は講師としての収入もあるし、お家もブルジュワジーだったしで、「絵で喰ってきたい!俺はビッグになるぜ!」的な欲望が全くなかったみたい。
比較的早くから評価を得ていたのですが、いわゆる芸術祭に招かれてもそっけない対応だったそうな。
そんな時間があったら「私に絵を描かせろ」で、アトリエに帰ってひたすら静物を並べ続け、描き続ける。
モランディ氏にとって、絵を描くというのはどういうことだったのだろう。
モチーフの向こうに、いったい何をみていたんだろう。
なんだろう、この偏愛な感じ。おトモダチになりたい。
講義があまりに面白くて、ついついそれだけでブログが終わってしまいそうなので、そのハナシはちょっと後回しにして、会場ネタを。

兵庫県立美術館は、いわずと知れた安藤忠雄先生の作品。
とてもスタイリッシュなのですが、冬場にはしんしんと冷えます。
そういえば、美術館と同じ灘区の山の手には、安藤忠雄設計のバーがあるのですが(今もあるのかな?)あそこもしんしんと寒かった…。
会場は温かくてホッと一息。

あ、質疑応答でお尋ねするの忘れた!
このタイトルの、微妙に不均衡な文字組は、どんな意図があったのかしら。

この日は、内覧会参加者は撮影可。
内覧会参加者たちは各々作品鑑賞へ。
今回の内覧会、たいそう楽しんだのですが、もし希望をいえるなら。
会場内で、作品一点一点に関しての解説などがあったら、より興味深かったかなと思います。
あの熱い学芸員さんのトークで見たかった!
時間ももっと余裕があったら嬉しかったかな。

そうそう、「みんないっしょ」と言われる原因の一つ。
会場の写真を見てもわかるように、絵のサイズが全てほぼ同じ…。
いわゆる大作、などと呼べるサイズが一生に一枚もないらしい。
とにかくほぼいっしょ。ここまでいっしょだと、いっそ気持ちがいいくらい。
ところで、「モランディ、複製画にするのが難しい問題」というのがあるそうでして。
地味と言えば地味、というか非常にデリケートであまりに繊細な色使いなため、実物は色も質感も、描き方もそれぞれ違うのに、複製画にしてしまうとその違いが表現しきれずに「みんないっしょ」になってしまう…。
画集や今回のポスターで見ていて「なんや、同じ絵ばっかし」という印象を受けても実物を見ると、とくに並べてみると「おおっっ!?」とびっくりするほど、一点一点、めっちゃ違うのです!
(…ごめん、めっちゃというのはちょっと大げさかもしれない。
それでもいっしょやん、という意見もあるかも。
まあ、ピカソの変遷なんか見ていると、モランディ氏の違いは50歩50.1歩くらいの違いかもしれない。)
これはぜひ、現物を見て欲しい!!と、モランディ氏好きの私としては、つとに願います。
話が長過ぎるので、続く。
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ジョルジョ・モランディ展
2015年12月8日[火]-2016年2月14日[日]
兵庫県立美術館
兵庫県神戸市 中央区脇浜海岸通1丁目1−1
078-262-0901
休館日:月曜日
10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで) 入場は閉館30分前まで
http://www.artm.pref.hyogo.jp/
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