そういえば、文楽のおハナシを忘れていました。
今さら需要はナイと思われますが、自分の記憶のよすがに。
今までのお話はこちら>
この夏観た演目の一つは、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)、大名家の尾家騒動と、名刀…というか妖刀?青江下坂の刀とその折紙(鑑定書)、主人公の福岡貢と遊女のお紺の恋をめぐる物語。
その中の古市油屋の段と奥庭十人斬りの段なのですが、この奥庭十人斬りの段、もう凄惨も凄惨、大量殺人のスプラッタなシーンの連続なのです。
先の薫樹累物語の土橋の段といい、この奥庭十人斬りの段といい、夏の特別公演は怪談というかおどろおどろしいおハナシというか、なんとも夏向きな演目セレクトではありますわ。
さてこの奥庭十人斬りの段。
主人公・福岡貢(このヒト、実はかなりアホやしすぐテンパルし、彼女のこと疑ってばっかりやし、やなヤツ!)が恋人のお紺に裏切られたと思い込み、さらにいろいろと追い込まれ、すったもんだと争ううちに妖刀・青江下坂の刀で一人斬り、二人斬り…の大太刀周り。
女も子供もおかまいなしに遊女屋の中を彷徨っては手当り次第に斬りまくる。その数10数人。
血飛沫が舞い、人形の手は飛ぶ首は飛ぶ、もうポンポン飛びまくる。観客席からも驚きの声が上がることあがること。
その様子が人形ならではの表現で、たまらなくシュールで思わず笑ってしまいましたわ。
これ実写だったら凄惨過ぎて観てられない。スプラッタムービーですね。
この演目、実は当時実際にあった「油屋騒動」と呼ばれる9人が犠牲になった殺傷事件を元にしているそうで、当時はさぞセンセーショナルな演目だったことでしょう。
現代で「○○大量殺人」的な事件を、事件があって比較的すぐに映画化なんてしたら、袋だたきにされそうだわ。
…とりとめもないメモでしたが。
伝統芸能といってしまうと何だか堅苦しく高尚なものとイメージしてしまいがちですが、実はけっこうツッコミ所満載で、クセになりそうな面白さでした!
これからもちょこちょこ通ってみようかな!
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