兵庫県立美術館で開催中のポンペイの壁画展、展覧会が終わる前に書き終らねば!…と先日書きましたが、終わらんのじゃなかろうか。12月25日までの開催なので、ご興味がおありの方はお急ぎを♪
今までのおハナシはこちら>
ポンペイ・レッドに酔いしれる 〜ポンペイの壁画展・兵庫県立美術館>
「黄金の腕輪の家」の壁画に描かれる異形の物たち 〜ポンペイの壁画展・兵庫県立美術館>
エジプト青の鮮やかさにうっとり 〜ポンペイの壁画展・兵庫県立美術館>
2000年前の絵を描く道具 〜ポンペイの壁画展・兵庫県立美術館
※以下、各画像はクリックすると別ウインドウで大きな画像が表示されます。
今回美術館でいただいた資料には「犬のシュンちゃんも来日!」とありました。
犬のシュンちゃんって何ぞや!?
ええと、ホントに犬ですね。そのまんまやん。
こちらの壁画も、切り取られて額装されて保管されていたもので、どのような建物のどのような部分に描かれていたかはあまりわかっていなかったりします。(先日も書いた内容ですが、発掘初期のころは壁画の一部を切り取って部分保管したり、またそれらのパーツをはぎ合わせて保管したりするのが一般的だったもよう。)
毛がふわふわした犬がお座りしてる。その頭上に「シュンクレトゥス」の文字。どうやらこの犬の名前らしい!
きっとこの壁画を描かせた貴族か裕福な市民の飼い犬だったのでしょうね。
一枚の壁画の中をいくつかに区切って描く構図はこの他にもいくつかあるパターンなのですが、その区切りの枠の上に、付け加えるかのように描かれた犬。「ちょっとウチのシュンちゃんも壁画に入れたげてよ〜!」なんて描き足されたのかしら?と妄想。
2000年前にも家族から愛された犬がいたのね。
そしてシュンちゃんの左側にはトカゲをくわえる?つつく?アオサギが。
アオサギの羽の描き方など、伸びやかな筆致で一見ラフに、でも特徴を的確に捉えて描かれているなぁ〜!って感じ。トカゲの描き方もリアルです。
このアオサギ、こちらの壁画ではコブラとも対決。
同じタッチで描かれているこのアオサギ、おそらく同じ壁面を飾っていたと考えられています。同じ工房の、もしかしたら同じ職人の手によるものなのかも!
コブラの顔が妙に仮面ライダーの怪人チックなのがけっこうツボ。ちなみに「イタリアにはこぶらなんていーひんやん!」と思われるかもですが、当時エジプトやオリエンタルなモチーフというのはけっこう人気だったそう。アオサギVSコブラというのは他の壁画でも見つかっているそうです。そしてアオサギというのは優雅な姿はしていますが、実際のところ肉食でかなり攻撃的な鳥なので、こんなシーンもあながちフィクションでもなさそう!
これ以外にも、数々の動物の姿が描かれた壁画があり、その描写力の高さに「ホントに2000年前なの!?」と驚かされること…!
躍動感溢れる馬たちを描いた壁画。
4頭立ての馬車…といえば、ベン・ハーよね!!古い!?
この壁画に描かれた馬たち、よくよく見るとかなりユニークな表情です。
ね?妙に人間臭い。「あんまどつくなよ〜」って感じかしら。もう細かいところを見出して行くと、楽しくてキリがない!
開催期間も後わずかなので、ガンガン書いていってしまいますね。今回私のツボった壁画がこちら。
縦に細長い、そうちょうど帯のようなサイズの壁画。このまんま巻き付けたいくらい!
ちなみに、今回の展覧会の目録の表紙にもこの壁画の一部が使われていたので、学芸員さんのツボでもあった様子。
こちらにも仮面のモチーフが使われています。
グリーン,オレンジ、赤,紫の色使い、プロヴァンス地方のテキスタイルを思わせるわ。ってこっちの方がずっとずっと古いって!
動物モチーフもそこかしこにちりばめられてます。そしてツボポイントはこのワインボトルモチーフ。ボトルの中にいろんな柄が描かれているのです。ホント、帯にしたい!
ちなみにギリシア時代には素焼きの壷で作られ,保存されていたワイン。ローマ時代のポンペイではどうだったのかしら?ガラス器自体はもう使われていたけれど、ワインボトルとしてはどうだったのかな?ちょっと調べてみなくては。
こちらは動物モチーフというより,食材モチーフ?狩りの獲物や食材というのは他の壁画にも描かれている人気のモチーフだったようです。
こちらの山羊のお乳を搾る男性を描いたメダイオンの部分、図録の表紙にも取り上げられています。この壁画のサイズ自体はそう大きな物ではないので、このメダイオンの部分もわりと小さい、緻密に緻密に描き込まれた繊細な絵。
ホント、細かいところまで見出したら時間がいくらあってもキリがないって!!
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