世界遺産 ポンペイの壁画展の内覧会へ 〜兵庫県立美術館

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以前、ジョルジュ・モランディ展の内覧会でお世話になった兵庫県立美術館。

その時のおハナシはこちら>

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現在、「世界遺産 ポンペイの壁画展」を開催中なのですが、ブロガー向けの内覧会をされるとのことでお声かけいただきました。

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学芸員の方のレクチャー付で会場を回ることができ、また会場内での撮影もお許しいただけるという大変ありがたい機会なので、喰いしん坊オットottoと共に喜んで馳せ参じましたよ♪

 

さて、まずはレクチャールームでの講義から。

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温暖で風光明媚なナポリ湾から望むヴェスビオ火山。

西暦79年というからほぼ2000年前、この火山が大噴火を起こし、今回紹介されるポンペイやエルコラーノといった周辺の街を一瞬で埋め尽くしてしまったのですね。山の形も高さも変わってしまうほどの大噴火だったと言います。(会場内ではその噴火の過程や被害状況の説明もあります)雲仙や御岳山の噴火の様子をニュースで見たことを思い出し、ヴェスビオ火山の大噴火もどれだけ凄まじいものだったのかと想像して恐ろしくなりました…。

そんな大悲劇の一方、その噴火のために大変貴重な文化遺産が後世に残されることになったわけです。普通であれば年月にさらされ風化して往くはずだった壁画たち。それが火山灰に埋もれ、その灰が乾燥剤の役目を果たすことによって完全に保存され…。そしてありえないような鮮やかな色彩で現在に現れたとは、これまさに奇跡!

今回は、ナポリ国立考古学博物館とポンペイ監督局の学術協力によって、大変貴重な壁画や関連の道具などが展示されています。

当時のポンペイは、大都市とは言えないけれど人口1万2000人ほどの地方都市で、神殿や集会所や裁判所、劇場や浴場などの施設が揃った生活水準が大変高い街だったそうです。生活水準のレベルで言うと、産業革命の前のヨーロッパ程度と言うので驚き。2000年も前なんですもんねぇ。ローマ時代、すごい。そして、公共施設や富裕層の屋敷や別荘、市民の住居などにも色とりどりの壁画が描かれたと言います。

まあ、そんなおハナシは博物館のサイトや専門書を読んでいただくことにして…今回は、私が独善的に気になって気になってどうしようもなかったことをピックアップして書いて行きますね。…もうこれで声がかからなくなったらどうしよう…。

さて。

今回展覧会を開催されるにあたって、大変苦労されたのが設営だとか。

私はこういう裏方話が大好き。こういうお話をお聞きしてからだと、会場をまわるのがいっそう興味深い。

 

さて、何に苦労されたかというと、なんせ壁画の数々が大変大きいのです!そして重い!!

壁画は「フレスコ画」と言う技法で描かれているのですが、これはイタリア語の「fresco 」、新鮮な・フレッシュなと言う意味からきています。壁などに漆喰を塗り、その漆喰が乾く前に顔料などで絵を描くと、漆喰が乾く際に化学反応を起こし非常に堅牢な壁面になるのだそうです。ただし堅牢なといってもそれは乾いている場合で、湿気には弱いのだそう。なのでポンペイのように乾燥剤替わりの灰に埋まっていたと言うのは非常にラッキー。もう恵まれた保存状況だった訳です。

ちなみにこれは余談ですが…。

灰に埋もれていて完璧な保存状態だったのなら、それが掘り出されて外気にさらされた瞬間から風化へのカウントダウンが始まってしまったのでは!?という私の質問に対して学芸員の方は、現在の美術館は作品の保護を考え空調ほかきちんとした管理をされているので安心とのこと、それでも発掘されたその瞬間の色の鮮やかさは…!それはもう、発掘した人しか見ることのできないものらしい、そんな夢のようなお話を聞かせてくださいました。

さて、設営にハナシをもどして。

壁画が描かれているのは、漆喰の本物の壁なのでもちろんものすごーく重い。壁画の部分をできるだけ薄く剥がして、また漆喰の面に貼付けて修復しているのですが、作品だけで一枚500キロするものもあるのだとか。

現在の技術では,貼付ける方の漆喰の壁を、超軽量のアルミのハニカム構造の素材をベースにするなど軽量で尚かつ強度があるよう工夫されているものもあるそう。それはどの作品か…ぜひ会場で見つけていただきたいものです♪作品の裏を覗き込もうとする不審人物にならないようにお気をつけて!(ヒント:サイドから見え見えです)

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設営風景。

専門のスタッフの方々が何人もかかりきり。

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パワーリフターでの作業。

イタリアのポンペイ監督局からクーリエの方が同行されて、美術館の壁の構造から強度から、作品の固定まで、細かく細かくチェックされるそうです。なにせ、倒れたら大変!!万が一破損するようなことがあったら…(@0@)そんな話を聞いてから展示を見ると、ちょっぴりドキドキしますわ。

しかも、今回壁画が生の!剥き出しの!状態で展示されているのです。普通であればガラスで保護してしまいそうなものですが、今回はそれもナシ。そしてものすごく接近できる!!いいのか!?クーリエさん!?

おかげで、フレスコ画そのものの色や質感がそのままじーっくりと味わえる素晴らしい展示です。兵庫県立美術館さん、そしてイタリアのスタッフのみなさま、太っ腹です!!

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こちらは修復風景、まさにジグゾーパズル。

今回まるっと無傷な壁画もたくさんありますが、その一方粉々に砕けたのを再現された壁画もあります。これは、ヴェスビオ火山の噴火の前にもポンペイでは地震があり、おそらくその際に崩壊してしまい敷地内に廃棄?されていた壁画も含まれているそう。

この修復・壁画の保存と言うのがまた面白いハナシで。

ポンペイとその近辺の都市の発掘が始まったのが1748年、ゆうに300年近く前のハナシ。もちろん当時と今では発掘・修復・保存の技術も考え方も全く違う訳です。今回出品されている壁画の中にも何点もあるのですが、昔は剥がせるサイズで分割して壁画を剥がして、それを何枚か接ぎ合わせるようにして木の枠に入れたりしているのですね。

例えばこんな風に。

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※画像をクリックすると、別ウィンドウで大きな画像が開きます。作品の詳細はまた後ほど。

これで一つの作品のようですが、元はそれぞれ別々の壁画のパーツであったと考えられています。そして元の壁画がどんなものであったかは、今となってはまったくわからないのだそうです。それはある意味とても残念なこと。でも当時としてはこれが最良の方法と考えられていたのでしょうね。

そういえば数年前に「酷すぎる修復を施されてしまったキリストのフレスコ画」が話題になりましたが、今回の展示の中にも「???」な壁画もあるそうです。あきらかにタッチが違ったり、不自然な部分があったり…今となっては不明な点がたくさんあるのだとか。確かに不思議な壁画もあるのですよね…さて、どのコでしょうか!?

そんなこんなで現在は、どんな建物のどの部分にあった壁画なのかきちんとデータが残され、また壊れたピースを集めて漆喰の壁の上に再構成する際に、欠損している部分を補う場合にもそれとわかるようにしているそうです。例えばこんな風に。

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※画像をクリックすると、別ウィンドウで大きな画像が開きます。作品の全体はまたのちほど。

あちこちに、細かく立てにスクラッチのような縦筋が入った部分があるのがおわかりいただけるでしょうか?これらが修復の際に描き足された部分だそうです。今後の調査などで新しい発見があったり、より完全な形に修復できるようになったりした場合には、これらの部分を取り除くことも可能なのだそう。

作品の修復・保存の話など興味は尽きないところですが、会場へ入る前に字数を使いすぎ。とりあえず会場へと話を進めます。

 

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いざ,会場へ。

続きます。

 

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