食いしん坊トモダチのY氏が急逝したのは去年の秋のことでした。
先日、Y氏が大絶賛していた中田シェフのお料理を堪能しようという会にお誘いいただいたので、垂水までお邪魔してきましたよ。
イタリアンレストランAeB(アーエービー)。
こちらのお店、以前六甲道で営業されていたイタリアン、アブラッチョ・エ・バッチョの中田シェフが移転されて始められたお店なのです。当時から中田シェフの変態さは際立っておりましたからね…とても楽しみです。
以前のおハナシはこちら>さよなら、ABBRACCIO&BACIO(アブラッチォ&バッチォ )、2015年末のおハナシ。
モノトーンに、アクセントカラーの深紅が効いたスタイリッシュな店内。
メニューにはシェフから「親愛なるYへ」のメッセージが。
またワインはY氏が好きそうなセレクトとのこと。
さて、どんなお料理とワイン達なのか…ドキドキしながらスタートです。
まずはペコリーノ・エ・ファーベ(生の空豆とペコリーノ・ロマーノ)。
生の空豆とイタリアはローマのチーズ、ペコリーノロマーノを合わせるこのいただき方。
生の空豆だけだとキシキシと青臭い風味があるのですが、ペコリーノと合わせるとこれが不思議、とても合うんですよね。
私がこの食べ方を最初に教えていただいたのは、もうウン十年も前の京都のdivo-divaさんでした。古代ローマの時代から伝わる食べ方なんだとか。最初はびっくりしたもんだったわ…。
ワインのボトルは最後の画像で。料理に合わせて出るタイミングが、文章中では前後しているかも知れません。ご容赦を。
Casa Belfi Colfondo Anfora
カーサ・ベルフィ コルフォンド アンフォラ ビオ グレラ マグナム
/イタリア ベネト州 グレラ種
ビオ。ものすごーくビオ。自然酵母のみ、ノンフィルターだし、アンフォラという壷状の容器で醸造するのだそうな。
このアンフォラ、確か以前上野の国立科学博物館で開催された「ワイン展 -ぶどうから生まれた奇跡- 」で、紀元前の遺跡から発掘されたものが展示されているのを見たわ。胴の張った首の細い、両肩に持ち手のついた素焼きの大きな器でした。
かなり濁っておりまして、注がれたグラスによって色も透明度も違えば、味もものすごーくすごく違う!!
春らしいたらの芽とウルイ、新男爵のニョッキはそのままでは面白くないので(こういう発想が変態と呼ばれる所以か…?)フリットにして、色鮮やかなグリーンの菜の花のサルサを、生姜を効かせて。
サラミはラクリネッロという、ラクリマ・クリスティを練り込んだマルケのもの。
ワインは写真はないけど、これもまた独特な風味、これは…ちょっぴり「駄菓子屋さんで売ってたストローで膨らませるチューブ風船」の匂いw なんでだ。
Malvira Roero Arneis Sagliettog
マルヴィラ ロエロ・アルネイス サリエット
/イタリア ピエモンテ州 アルネイス種 50%ステン50% 450Lフレンチオーク樽
I.G.P.農家ベッリエ家のタルティーヴォのインサラータ
タルティーボというのは、正式名称はラディッキオ・ロッソ・ディ・
I.G.P.(Indicazione Geografica Protettaインディカツィオーネ・ジェオグラーフィカ・プロテッタ)はイタリアの特定産地の厳しい規定をクリアした農産物や食品だけに与えられる呼称なんだそう。
この色が美しくて、インパクト大!甘さとほろ苦さ、シャキシャキとした食感がたまらない!
美しい色のワインは、
ジェネライ ヴィーノ ロザート イゾラ ロゼ
Vino Rosato Isola Rose
/イタリア ピエモンテ州 ネッビオーロ種
ホタルイカのリゾット
これがかなりがっつりアルデンテでして、バリカタとも粉落しとも(それはリゾットの呼び方ではナイ)。
これはテーブルについたメンバーの中でも、少々好みの別れるところだったようです。
シェフ曰く、あまり柔らかくしない方がイカスミに風味に合うようです。
自家製のフォッカッチャ
穴子のグリッリア、その骨のサルサ
この黒いソースは、なんと穴子の骨と赤ワインだけ、繋ぎも何も入れずにただひたすら注ぎ足して煮詰めていくのだそう。むっちりとした穴子の食感と相まって、何とも美味しい!
これは日本酒とも合うのでは!?いやいやご飯とだって合うだろうと大絶賛でした。
Collecapretta Lautizio13 Ciliegiolo
ラウティツィオ コッレカプレッタ チリエジョーロ
/イタリア ウンブリア州 チリジョーロ種 自然酵母のみ全て手作業酸化防止剤も一切使用しない
シェフが次に登場するメニューのカカオ入り自家製オレキエッテを、生の状態で見せてくださいました。
立ち込める濃厚なカカオの香り!!おおーーーー!香りだけだったら一瞬デザートかと思ってしまうわ。
鳩のラグー 栗の蜂蜜の香り
甘さのないカカオの風味に鳩の旨味が絡まって、サイコー☆
鳩はフランス産、日本の鳩との違い、各国の輸入にまつわるあれこれなど、面白いおハナシなど伺いながらいただきました。フランスやイタリアから、こだわりにこだわり抜いた食材を取り寄せる中田シェフ、さぞかしいろんなご苦労をされてらっしゃることでしょうが、いただく方としてはただただ嬉し美味しく、ありがたいばかりです。
自家製フォッカッチャ
ホンワリと赤身を帯びているのは、先ほどのタルティーボを練り混んでいるから。
こちらは、トマトが練り込んであります。
ブラチョーラ・ディ・カヴァロ
イタリア料理では、具材を薄切り肉でくるくると巻くお料理をインヴォルティーニと呼ぶそうですが、プーリア州では「ブラチョーラ」と呼ぶんだそう。馬肉の食感と風味が何とも美味しい一品。
ワインもプーリアのものを合わせていただきました。
Salice Salentino Riserva Torre Saracena
サーリチェ サレンティーノ リゼルヴァ トッレ サラチェーナ
/イタリア プーリア州 ネグロアマーロ種 マルヴァジア・ネーラ種
ああ、よく食べました、堪能しました!
でも、これは別腹ですよね!?デザート&食後酒。
Vin Santo del Chianti Classico Castelgrave Castelli del Grevepesa
ヴィン・サント・デル・キャンティ・クラッシコ カステルグレーヴェ カステッリ・デル・グレヴェペーザ
/イタリア トスカーナ州 トレッビアーノ種、マルヴァア・デル・キャンティ種
ドルチェはフォンダンショコラ
うーん、濃ゆ〜い!美味しい!
ああ、よく呑みました,食べました。ごちそうさまでした!
素敵なイベントを主催してくださったぱたぱた日記のAさん、いつもありがとう!
中田シェフ、素晴らしいお料理とワインをありがとうございました!
そして、今も尚ご縁を紡いでくれるYさんに、感謝を。
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A e B (アーエーベー)
神戸市垂水区天ノ下町1-1-160 ウエステ垂水 1F
078-707-3270
11:00~15:00(L.O.14:30)
17:00〜21:00(21時以降はご予約にて可)
定休日 :日曜
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